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2019年の11月に中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の感染流行を受けて、2020年の四旬節の期間中から日本中の多くの教会はミサという人々の集まりがこのウイルスの感染拡大の条件にあっていることを鑑み公開ミサの中止や聖堂の閉鎖そして教会の中で行われる活動のほとんどを中止するという対応をせざる得ない状況になった。当初はこの状況も復活祭までには何とかなるのではないかという雰囲気や希望があったのだが、それまでに感染流行は収まるどころか日本国内での感染者数が増えると言う状況に至り、また聖週間の期間中に政府から感染流行に関し緊急事態宣言が出されるという状況もあり、聖週間そして復活節以降も教会で公開ミサが行われないという事態が続くこととなった。
教会はこの感染流行を受けて人々が集まる場所という機能を縮小せざる得なかったが、ミサそのものは継続して行われた。ただし、それは誰でも自由に参加できる公開ミサではなく、司式司祭または司式司教と場合によっては限られた修道者又は一般信徒のみが参加するという一般非公開の形をとったミサであった。通常教会の中で一般非公開のミサは決して珍しいものではないが、公開ミサが中止された今は一般非公開のミサを行ってそれをインターネット上で動画配信を行い、そして聖体拝領の代わりに霊的聖体拝領を行うという教会の歴史上極めて稀な状況が生まれた。
インターネットで配信されるミサの映像は、実際に教会に集うミサの代わりになるものではない。ミサの映像はミサそのものではなく、信徒が各自個人で行う祈りを手助けするという位置付けだ。公開ミサが中止された今、教会に集うミサと映像で見るミサを厳格に区別すればこのミサ配信をかなり有意義に利用できるのではないだろうか。
私がこのミサ配信を見て特に素晴らしく感じた点は、一度に複数の教会で行われるミサを見ることができることだ。普段教会に行けば行った教会のミサしか見ることができない。頑張れば3箇所ぐらいハシゴができるかもしれないが、それも近い位置にある教会に限られる。しかしインターネットでは地理的な制限がないので、遠い土地で行われているミサの映像を見ることができる。特に復活徹夜祭は年に一度小教区では1回限りで行われるミサなので、人生の中で様々な教会の復活徹夜祭を見ようと行動しても限度というものがやはりある。私は東京に住んでいるが、富山や大阪、和歌山、香川、広島、長崎そしてバチカンのミサまで見ることができたのは大きな経験だったと思う。
カトリック教会は、世界中にある教会で同じミサを行っているという力強さがある。いつも通っている教会ではない、知らない土地に行った時にそこにある教会のミサに出た時に感じる、
「知らない土地、違う土地でも知らない人達とミサでつながっている」
という神秘的な強さがある。そのことを物理的制限を取り払い、家にいながら見せてくれたのがこの時期に行われたインターネットミサ配信なのだと思っている。
そのミサ配信を記念し、リスト化することをとりあえずの目的としてこのサイトを立ち上げた。実際に物理的に人が集まる教会ではなく、Webになだらかにある教会といえそうな人のつながりの場を記録していければと思う。
ちなみに 「web教会界隈」という名前には元ネタがあり、それは 「web写真界隈」というウェブページだ。
■参考リンク
東京教区からのお知らせ > ミサの映像配信に関して
https://tokyo.catholic.jp/info/diocese/38352/
“新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、現在、東京教区では原則として「公開の」ミサが中止されています。そのため、信徒の皆さまが、主日で各自祈りの時を持つこと、霊的聖体拝領に与ることの助けとなるよう、主日と聖週間のミサ、典礼を映像配信してきました。毎週、数千人の方々が”
東京教区からのお知らせ > 霊的聖体拝領に関して
https://tokyo.catholic.jp/info/diocese/37978/
“2月27日の菊地功大司教「司教の日記」より、「霊的聖体拝領」の解説部分を抜粋します。皆さまと主イエス・キリストとの豊かな交わりの助けとしていただければと思います。
聖ヨハネ・パウロ二世は、回勅『教会にいのちを与える聖体』の中で”